韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(1)
韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(2)〜(5)はこちらでどうぞ

2010年12月15日

拉致監禁に責任を持っていた宮村氏

検察審査会議決通知書を読む(13)─同氏の指導に追い詰められる両親統一教会,統一協会,救出,検察審査会,相談,相談会,説明,説明会,脱会,説得,宮村峻,宮村
「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」─この判断が誤りであることは、これまでの論証ではっきりしたと思う。もう一度拉致監禁を宮村氏から指導された親の言葉を振り返り、水茎会の実態をもう少し詳しく見ていくことで、改めて確認しておく。
その間も連日、父だけは隠してあった電話で宮村氏と松永牧師に状況を報告し、指示を受けていた。電話連絡による指示を受けなければ、父も私にどう対処したらよいか分からなかったようだ。
父が(宮村氏に)電話連絡したあとに、突然態度や言うことが変わってしまうこともしばしばあった。宮村氏らにコントロールされ、いいなりになる父の姿を見て、その時ほど悲しかったことはなかった。

小出浩久氏が著書「人さらいからの脱出」(光言社刊)でつづっている父の姿だ。
父は後日、「宮村さんのような人に電話をかけるのは本当嫌なんだよ。こちらを尊重することが全くない。忙しければ『十分後にしろ!』。そして十分後にかければ、『もう十分』。そして最後に『今日はもう遅いから、明朝にしてくれ!』と。こんな扱われ方をしたのは生まれて初めてだ。自分の意思と少しでも合わないところがあると、『そうか、それじゃ勝手にしろ! おれはもう責任をもたないからな』と言ってくる。相談なんてする余地もない。そういう電話をかけていたんだぞ。おまえのためを思って」と、しみじみと語った。(同書104ページ)
「もうおれは責任をもたないからな」つまり宮村氏は責任をもっていたことをはっきりと自分から言明している。「監禁250日証言─脱会屋のすべて」(光言社刊)の著者、鳥海豊氏も両親から同様の言葉を聞いている。
私が脱出した後、父親がしみじみと語ってくれた。
あの時、おまえが「縄をつけてもいいから外へ出してくれないか」と宮村さんに頼んだのに、宮村さんは「縄なんかつけないよ」とか行ったきり、結局閉じ込めたままだった。豊があんなに泣きながら頼んでも、ああ、宮村さんは外へ出してくれないんだな、と本当に私は心が痛かった。でも宮村さんがそうするんだから、仕方がないと……」。(同書80ページ)
それは私が脱出した後、母親から聞いた話によって明らかである。
「あそこで裁判する気になっていたけれど、豊の様子を見るたびに、ああ、こんな感じなら裁判なんてとてもできない。無理だ、無理だと思っていたのよ。でも、すべて宮村さんにお任せしてあったから、何も言えなかった。」(同書117ページ)
小出氏においては父親が、また鳥海氏においては両親がこのように述懐しているのである。間違いなく、両者の拉致監禁は宮村氏が責任を持ち指導的立場にあり、両親は何も言えない立場に置かれていた。もう一度、検察審査会議決通知書の言葉を読んでみよう。「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」。再度指摘する。宮村氏が指導的立場にあり、両親は何も言えない立場に置かれていた。それで「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」とは、絶句してしまう。

さて、では、どうして何も言えない立場に立ってしまうのであろう。前回宮村氏の主宰する水茎会という組織について触れたが、鳥海氏の著書からもう少し詳しく見てみよう。そこから両親がどういう立場に置かれるのかが見えてくるだろう。
親が(水茎会の面接で)宮村から聞かれるのは、いつ子供が統一教会に入ったのか、その時それをどう思ったのか、そして子供を統一教会から辞めさせるために何をしてきたのか、そういった内容です。
そして親が親せきや友人に、どれだけそういうことを率直に話し、協力してもらおうとしてきたかを査定します。
……中略……この面接が終わると、一応、拉致・監禁の順番場決まっていきます。チェック事項を満たしてからですが、そのチェックとしては、
・親が必死になっているかどうか。
・拉致・監禁・回収の作業については、完全に宮村や水茎会の指示に従い、反抗したりしないかどうか。
・本人に兄弟か姉妹がいれば、その人も何回か水茎会に出席するようになったかどうか。
・両親は仕事を含め、家や財産を手放しても子供を取り戻したいという覚悟ができている(監禁が長期に及んでも動揺しない)かどうか。
・親戚も仕事の予定を変更したりしながらでも、拉致・監禁・強制改宗に協力する体制が整っているかどうか。
・親戚の中に統一教会側の人間がいないかどうか。(献身的に奉仕する人はいても、それと関係なく拉致・監禁が実行されるが、勤労青年や壮年、婦人がいる場合はその人を通じて情報が漏れやすいので難しい)
・本人に自宅に帰るように言えば帰省するかどうか。または会うことができるかどうか。(同書151ページ〜154ページ)

ここまでチェックするというのは、大変なことだ。とても信者の親から頼まれたからやるというレベルの話ではないことは、こうした入念な下準備を見ても理解できる。さらには驚くべき水茎会の実態がその次の個所に出てくる。
そしていよいよ準備ができると、監禁に使うマンションかアパートが割り当てられます。割り当てが難しいときは、ホテルの一室が使われる時もあります。「水茎会」として借りているマンションが新宿や荻窪にたくさんあります。例えば、鈴木さんという人が監禁のためにマンションを借り、監禁・改宗作業が終わったとします。すると、鈴木という名義はそのままに残し、次に使う人がその名義で支払いを行うというように、契約はどうなっているの知らないが引き継いでいきます。
時々監禁の途中で脱走者が出ると、その部屋は当分使わず冷却期間を置くのです。その冷却期間の家賃は、水茎会の会費で賄われているようでした。
部屋の中にある家具、冷蔵庫、洗濯機、ストーブ、エアコン、食器、布団なども水茎会の物もあり、また、前に監禁に使った家族が残していったものもあり、互助会のようになっています。(同書154ページ〜155ページ)
完璧なシステムである。ここでもう一度、検察審査会議決通知書の文章を読んでほしい。「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」。もう、二の句が継げない状態に陥ってしまう。

そしてこの完璧なシステムの怖さは、実はもっと深いところにある。このシステムの中に取り込まれた親子は、子供が脱会したことを確認するためという名目で、有田芳生氏らジャーナリストに供給され、彼らの描いたシナリオの通りの証言をさせられる。また青春を返せ裁判の訴訟を起こさせられたり、証人として協力させられるなど山口広弁護士らに提供される。次から次へとたらいまわしに利用され、元信者がPTSDにかかろうが、親子関係に亀裂が入ろうが、そんなことに責任を負ってくれる人は一人もいない。それでもって、ああありがたい、ありがたいと言わせられ続けられ、謝礼などをふんだんにとりまくられる。世の中の批判を浴びている“統一教会”よりももっと怖い組織がここにある。
posted by 原田和彦 at 23:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 検察審査会議決通知書を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
骨の髄までしゃぶられる 一昔のマスコミのキャンペーンにあつた 白い粉覚せい剤みたいですね。たとえがよくなくてすみません。
Posted by 小川 at 2010年12月16日 14:03
怖い組織

<“統一教会”よりももっと怖い組織がここにある>

ブログを読んで、拉致監禁ネットワークの怖さを改めて認識しました。

宮村氏や松永牧師らが両親に恐怖を植え付け、絶対的に服従させる。そして、その親は、監禁から出ようとする子供に対して「出て行くなら、自殺する」などと精神的にがんじがらめにするような言葉を吐く。

こういうのを俗に「マインドコントロール」と言うのではないでしょうか。拉致監禁ネットワークの連中は統一教会の「マインドコントロール」を批判していますが、自分たちのやっている「マインドコントロール」戦術はどうなんでしょうかね。陰湿ですね。

<このシステムの中に取り込まれた親子は、子供が脱会したことを確認するためという名目で、有田芳生氏らジャーナリストに供給され、彼らの描いたシナリオの通りの証言をさせられる。また青春を返せ裁判の訴訟を起こさせられたり、証人として協力させられるなど山口広弁護士らに提供される。次から次へとたらいまわしに利用され、元信者がPTSDにかかろうが、親子関係に亀裂が入ろうが、そんなことに責任を負ってくれる人は一人もいない。それでもって、ああありがたい、ありがたいと言わせられ続けられ、謝礼などをふんだんにとりまくられる>

「マインドコントロール」もそうですが、その後の集金システムに組み込む流れは、ヤクザまがいで、恐ろしいですね。表では、牧師、弁護士、国会議員といった正義の味方の顔をして、裏では人の弱みにつけこんで金を巻き上げる―。こんな腹黒い連中、絶対に許せません!

どうぞ、この黒い組織の悪事をあぶり出し続けてください。
Posted by みんな at 2010年12月17日 08:41
小川様

骨の髄まで……体もさることながら、心もPTSDという形で被害を受けたり、“宮村依存症”を“発症”したり……しゃぶられるようです。

みんなさん

宮村氏に関する研究をしていますが、この宮村氏の行動の背景には“統一教会破壊的カルト論”があり、このイメージを社会に定着させた団体、ジャーナリストの存在があると思います。もちろん、これらの団体、ジャーナリストのターゲットになった統一教会自体にも、反省していただかないといけない点があります。

が、それにしても、“破壊的カルト”という言葉のイメージが、統一教会の行ってきたことにぴったり一致しているのかどうか。ジャーナリスト、団体の研究も時期が来たら行わないといけないと思っています。

統一教会を擁護するつもりは一切ありません。反省すべきことはきちんと反省してもらわないと困る。しかし実際にやってきたことと、“破壊的カルト”の言葉のイメージが一致しているのか、この言葉を前提として拉致監禁を行ってきた牧師や拉致監禁請負人の認識に誤りはなかったのか。この検討がなければ、宮村氏の研究だけでは不足しているような気がします。ジャーナリストの研究も時期が来たらやってみたいと思っています。
Posted by 原田和彦 at 2010年12月17日 10:26
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