韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(1)
韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(2)〜(5)はこちらでどうぞ

2010年12月07日

「宮村・松永関与なし」は最悪、最低の誤判断

検察審査会議決通知書を読む(12)─両氏の積極的指導は明白統一教会,統一協会,救出,検察審査会,相談,相談会,説明,説明会,脱会,説得,宮村峻,宮村
前回は、パレスマンション多門607号室や、荻窪プレイス605号室の玄関ドアの施錠状態について、後藤徹氏の主張と異なることが供述調書に記されていて、この点を検察審査会委員がまったく無批判に採用、結果として検察の供述調書に疑念を持たざるを得ないことを示した。また後藤氏のハンガーストライキについても、統一教会の断食行であるとの被疑者らの主張が全く偽証であることを立証した。そして今回は、いよいよこの通知書のヘソともいうべき一文について検討する。「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」─この一文が、検察審査会議決通知書の誤りを決定的にしている。このブログでも一度紹介したことのある書籍「親は何を知るべきか」(いのちのことば社刊)の宮村氏執筆部分を参照する。
破壊的カルトからの救出カウンセリングには、これといった特別な技術や劇的な効果をもたらす方法はありません。何よりもまず最初に、家族、特に両親、それと兄弟たちや友人たちのかけ値のない愛情と、この問題に対する正確な知識が必要です。(同書118ページ)
という文章が宮村氏執筆の第8章「親は何を知るべきか」の冒頭から出てくる。特別な技術や方法はないと言いながら、救出カウンセリング、正確な知識という言葉が出てくることにより、カウンセラーの指示に従わないと難しいことをにおわせている。カウンセリングと言う言葉を聞いただけで、自分たちにはできないと思うのが普通の人間であろう。それに加えて正確な知識が必要なのであれば、カウンセラーの指示に従わざるを得ない。さらには次の文章……。
それよりももっと大事なことは、それをあなたが判断することは、非常に危険だということです。あとでまた触れますが、これはもう、豊富な経験を持つカウンセラーに頼るしかありません。しかし最低限度の基準として、本人が以前と「何か違っている」と思えたら、もうあなたの手には負えないと判断したほうがよいでしょう。これは重要なことです。(同120ページ)
以前と何か違っていると思えるくらいの変化なら、相当初期の変化だと思われるが、もうこの段階からカウンセラーに頼るしかないと言っているのだ。頼るということは指示を仰ぎ、その指示の通りに行動するということだ。これだけでも、「被疑者松永および同宮村が関与した」立派な本人の証言である。

第8章の最後に、宮村氏はこうも書いている。
ここから先の具体的行動については、実際の「救出カウンセリング」をお願いする先生を探し出すことです。そしてできるだけいろいろな先生に会い、情報収集と勉強を続けることです。そして、信頼できるカウンセラーを見つけたら、もう迷うことをやめて、その方を信頼することです。(152ページ)
そして後藤氏の両親は宮村氏と出会い、後藤氏の兄、妹、そして後藤氏を拉致監禁していったのである。これほど完璧に、宮村氏が主導的立場で関与していることを証言している文章はそうそうあるまい。しかも宮村氏自身が執筆しているのである。自分で自白したようなものである。

もうこの引用文で十分立証できたとは思うが、さらに拉致監禁被害者による証言も掲載しておこう。宮村氏は統一教会信者家族の教育用に、「水茎会」なる相談会を開いている。そこに参加させられた鳥海豊氏は著書「監禁250日証言─「脱会屋」の全て」(光言社刊)で次のように証言している。引用が少し長くなる。
さてこの新宿西教会では、毎週土曜日の午後、「水茎会」という会が開かれている。この会は、統一教会に入信した子供を強制的に棄教、脱会させようとする親の集いで、会員制になっており、会費を納め、それで運営されている。
会の司会は宮村で、どんなふうに進むかというと、まず有馬牧師が簡単な話をし、終わると、最近統一教会から脱会した人と、その家族の証がある。もし、両親、本人、そして兄弟がいれば兄弟も、一緒に前へ出て話をする。その内容は、まず本人が、「苦しかったけれど、今は統一教会をやめることができて本当によかった、宮村氏に感謝している」という話をする。
次に、親をはじめとする家族が同じような内容と、宮村に対する感謝を言う。さらに、宮村によるこの家族についての簡単な解説があって、最後に十数人のグループに分かれて相談会が行われる。一つのグループに、元教会員が一人もしくは二、三人ついて相談に加わるといった具合である。
相談の内容は、要するに子供を改宗するためにどうすればいいのか、子供は一体何を考えているのか、というようなもの。そして結果的には、拉致・監禁の具体的な指導や注意事項が説明されていく。
ただ、名前を隠すためか、家族同士でもほとんど名前では呼ばず、緊張した感じだ。しかし、もうすでに子供が統一教会をやめたという親は、余裕で相談に乗っていた。
私もこの会で、前に出て“脱会”の証をして、そして相談に乗っていた。そんなことはしたくなかったのだが、ほとんど強制的に参加を命じられるので仕方がなかった。
ある集会のとき、宮村が語っていた内容があるので紹介しておこう。
「きょう、お集まりいただいているご父兄の方々に、少しお話しておきたいことがあります。……中略……こればかりは、急に出来るものではないのです。急いで失敗したら、取り返しがつかないのです。一人ずつ、しっかりと説得していかなければならないので、根気良く順番を待っていただくしかありません。必ず説得しますので、心配せず、こちらにすべてをお任せください。」(同書137ページ〜139ページ)
この“水茎会”に入っている人は最初か、または途中で宮村峻に面接を受けるようです。……中略……この面接が終わると、一応、拉致・監禁の順番が決まっていきます。チェック事項を満たしてからですが、そのチェックとしては、
・親が必死になっているかどうか。
・拉致・監禁・回収の作業については、完全に宮村や水茎会の指示に従い、反抗したりしないかどうか。……以下略……(同書151ページ〜153ページ)

松永牧師の方はどうであろうか。拉致監禁をなくす会の代表であり、医師でもあるる小出浩久氏の著書「人さらいからの脱出」(光言社刊)から勉強会及び相談会についての説明部分を引用する。これも少し長くなる。

<勉強会について>
毎週、土曜日の午後六時から九時の間と、その前後の時間、松永牧師の新津教会は異様な熱気に包まれる。……中略……この集会のスタッフとして私も何回か受付や資料配布などを行った。午後六時からはまずビデオにより強制改宗(脱会説得)への“心得”を学ぶ。ビデオは八種類で、統一教会の成立から今日の活動までが講義された「統一教会の実体(1)(2)」……中略……監禁前や監禁中、脱会説得後に親はどのように子供に接するか、拉致から監禁、監禁後の手ほどきを解説した「対応(1)(2)」がある。
監禁を実行しようとする家族は、その時が来るまで何回も何回も繰り返して見る。勉強会に出席して統一教会の批判を繰り返し繰り返し吹き込まれているので、ビデオを見る表情は真剣である。
……中略……松永牧師が一ぢ間ほど離すと、午後八時ごろからは元信者が自分の体験を語る時間となる。特に最近統一教会をやめることを決心させられた人たちが、監禁と説得の“成果”として話をさせられる。(「人さらいからの脱出」151ページ〜153ページ)
<相談会>
集会では月に一、二回、同じ時間帯に、グループに分かれて、元信者と現役信者の父兄との相談会が持たれた。初めに質疑応答があり、その後、リーダー格の元信者もしくは父兄が話し始める。たいがい、ここで話される内容は“統一教会がいかに反社会的な犯罪者集団であるか”“犯罪者集団である統一教会に入っている子供は犯罪者である”と強調され、“そこから子供を救出するのは人の親として何より重要なことである”とハッパをかけられた。
……中略……しかし、勉強会に通い始めたばかりの父兄からはこんな質問も出る。
いくら統一教会が悪いと言っても、成人に達した息子、娘をマンションなどに閉じ込めてしまうのは、基本的人権という観点からおかしくはないですか
すかさず元教会員が「まだ全然、統一教会の怖さが分かっていないんですね。そうするしかないんですよ」と説得する。もちろん質問した父兄はすぐに納得するわけではない。
しかし、徐々に牧師や元教会員の熱心さと集会での雰囲気の中で、この方法しか子供を統一教会から取り戻す方法はないのではないか、と考えるようになっていくようだった。そして、ついには拉致・監禁ができる日を目指して、何かに憑かれたように勉強会に通うようになっていく人がほとんどだった。
どうだろう。宮村氏、松永牧師、ともにまったく宮村氏が書いた文章の通りの指導で、「こちらにすべてをお任せください」。つまり子供を脱会させてほしければ、指示通りに動けということなのだ。もう一度指摘する。「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」は明確な誤判断である。
posted by 原田和彦 at 23:59| Comment(3) | TrackBack(0) | 検察審査会議決通知書を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
黒幕

原田さんの分析は本当にすばらしいです。胸のすく思いで、いつも読ませていただいています。

<勉強会に通い始めたばかりの父兄からはこんな質問も出る。
「いくら統一教会が悪いと言っても、成人に達した息子、娘をマンションなどに閉じ込めてしまうのは、基本的人権という観点からおかしくはないですか」
すかさず元教会員が「まだ全然、統一教会の怖さが分かっていないんですね。そうするしかないんですよ」と説得する>(小出浩久氏の著書「人さらいからの脱出」(光言社刊)から勉強会及び相談会についての説明部分の引用より)

基本的人権を踏みにじる行為を正当化する、恐るべき人たちの話。その上、首謀者である宮村氏の関与について「関与したとする証拠はない」とさらっと流している検察審査会の議決文。
前にも読んではいますが、読む度に怒りがこみ上げてきます。

宮村氏の関与。この証拠を完全に消し去る、恐るべきネットワーク。ここにメスを入れ、このネットワークに鉄槌を下さない限り、この問題は終わらないと思います。いくら監禁被害者が生還したとしても。

原田さんのブログはネットワークの連中には脅威だろうと思います。
Posted by みんな at 2010年12月09日 08:51
 みんなさんが書かれているように、とても説得力があります。
 秀逸な分析だと思いました。

 後藤さんが民事提訴され、小出さんや鳥海さんが証言されることが楽しみになってきました。
Posted by 米本 at 2010年12月12日 17:01
みんなさん、米本さん、コメントありがとうございます。
次はもう少し宮村氏の水茎会について、あるいは宮村氏のお友達の松永牧師の会について、書いてみたいと思っています。これまで4日に一度のペースをめどとしてきましたが、もう少し資料を読み込みたいと思いますので、一週間か8日に一度のペースに変えようと思っています。
Posted by 原田和彦 at 2010年12月14日 10:03
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