韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(1)
韓国SBS放送の『統一教会信者拉致監禁事件-きよみ13年ぶりの帰郷』(2)〜(5)はこちらでどうぞ

2010年10月23日

脱会カウンセラーに絶対的にゆだねよ??

検察審査会議決通知書を読む(2 )─具体的な論評に入る前に統一教会,統一協会,救出,検察審査会,相談,相談会,説明,説明会,脱会,説得,宮村峻,宮村
「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない。」と検察審査会議決通知書はいう。しかし、宮村に脱会説得を受けた人たちの体験談からは共通の事実が浮かび上がってくる。これを見ても、宮村氏が拉致監禁および脱会説得において指導的立場にあったことは、間違いない。その点について、宮村氏自身に語ってもらおう。
oyawananiwo.jpg「親は何を知るべきか」(マインドコントロール研究所編、いのちのことば社刊、1997年)という本(写真)がある。この本のへそともいうべき部分の第8章に、宮村氏自身が書いた「親は何を知るべきか」というタイトルが当てられている。拉致監禁牧師として有名なズィヴィ・パスカル氏や、マインドコントロール論の研究者である西田公昭氏、浅見定雄東北学院大学名誉教授、弁護士の郷路征記氏といったそうそうたる著者に交じって、宮村氏が執筆し、しかもその章のタイトルが本のタイトルになっているのだ。

すると、この本は宮村氏を守り立てるために作られた本とみることもできる。巻頭言は、有田芳生氏と、新津福音キリスト教会の松永堡智主任牧師。こうくれば、この本の出版目的も、類推することはできよう。この本で宮村氏に焦点を当て、拉致監禁の際の親の持つべき心得と、なぜ拉致監禁請負人に従わなければならないかを説かせているわけだ。

さてこの第8章で宮村氏は何を述べているのか。宮村氏をはじめとして著者たちは皆、統一教会をはじめとして山岸会、オーム真理教、エホバの証人など、社会問題化した団体を、単に「カルト」と呼ぶことはしない。すべて「破壊的カルト」で統一している。その理由はこの本では書いていないが、一読して感じるのは、それらの団体の目指す社会、教義などについては一切触れない。

つまり「破壊的カルト」とネーミングすることで、この世に絶対にあってはならない団体であるというイメージ付けを行っているということだ。そして、そこからの救出法としての拉致監禁を正当化する、そのような意図が背後に読みとれる。それらの団体が本当に「破壊的」なほどに反社会的団体なのかという分析などどうでもいい。「破壊的」というイメージ付けをすることで、脱会説得の方法としての拉致監禁を正当化しているように見える。

で、統一教会が実際にどのような犯罪行為を犯したのか、オーム真理教のように大量殺りくを行ったことがあるのか、どのような団体であるのかはどうでもよく、とにかく「破壊的カルト」というイメージ付けが先行し、そこからの救出法を宮村氏が述べているのである。

彼が説くのは、まず第一に信者になってしまった子供への愛情だ。これ自体は何の問題もないように見える。しかし、小出氏に聞くシリーズでも述べたように、愛情があるなら暴力をふるってでも脱会させる(事実、監禁という行為自体が暴力である)というようになれば、これは愛情の逸脱である。

次に彼が説くのは親の見方は往々にして甘く、「救出」できるタイミングとして手遅れになる場合が多いということだ。話せばわかる、自分のいうことだったら子供は聞いてくれる、自分の子供はそんなバカではない、と思うのは間違いであるという。今目の前にいる子供はもはや自分の知っている子供ではない、だから信頼できるカウンセラーに任せなさいと宮村氏は説いている。

宮村氏は統一教会に伝道されるパターンとして4つのケースを挙げ、統一教会の教えが根付いて行くのに3つのレベルがあるという。この4つのケースと3つのレベルの説明で、宮村氏が言わんとしているのは、先に挙げたように親は子供を信頼したがる傾向があるので、最初のレベルは見落とされがちであり、知らない間に最高レベルまで進行しているということだ。

さあそこで、この段階で子供を「破壊的カルト」から取り戻すには、早さよりも確実さが大事だという。この確実さを保証するために、失敗は許されないこと、時間は1,2年、あるいはそれ以上かかると認識すること、家族全員(実際の指導では親族全員となる)の一致協力が必要であると認識することが大事だと宮村氏は書いている。また、親は厳しさを持たなければならないことを強調している。

ここまでくれば、もうあとやるべきことはただ一つ、信頼できるカウンセラーを探し、見つけ出したら迷わず彼を信頼することだという。つまりカウンセラーの指導にすべてをゆだねよということだ。

以上、「親は何を知るべきか」という本の、宮村氏が執筆した部分を見てきて、これまで拉致監禁被害者の体験談を読まれた方は理解できたと思う。異常な拉致監禁による脱会説得が、なぜ成立してしまうのかということが。宮村氏らがこういうことを信者の家族や親族に、研修会などで吹き込むことで、異常なほどの決意を親族全体が固めてしまうのだ。その結果、拉致監禁被害者がどんなに精神的、あるいは肉体的打撃を受けても、徹底的に脱会説得を成功させてしまうということなのだ。宮村氏の著述部分を見ても、拉致監禁による脱会説得は、家族が自ら考えて覚悟を固めたものではなく家族以外の他者から吹き込まれて、家族が、親族が、その気になってしまったものだということが分かる。

つまり、拉致監禁は家族の問題ではない。他者から家族や親族に吹き込まれて実行されていく、社会問題なのだということが、宮村氏自身の著述から証明できるのだ。

この稿から後藤徹氏の京王プラザホテルでの監禁と、同様に京王プラザホテルを含めて250日間の監禁体験を持つTY氏の著書での記述を対比させることで、拉致監禁は親子の問題ではなく宮村氏によって計画されたものであることを浮かび上がらせる予定であった。しかし、その前に宮村氏自身の著述を見ておく必要があると思い、それに費やしてしまった。次回は後藤氏の京王プラザホテルでの監禁に焦点をあてる。
posted by 原田和彦 at 12:35| Comment(5) | TrackBack(1) | 検察審査会議決通知書を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
宮村氏は、21年前わたしには脱会説得は親御さんに頼まれて仕方なくやってるといってましたが、著書には、カウンセラーに委ねろとある。なんか矛盾してないかしら?
親の判断は甘くなりがちだといってるが、私の脱会説得に限ってのことではあるが、宮村氏が一番甘かった。私の偽装脱会を見抜けなかったのは仕方ないけれども・・。(演技がうまかったから。でも早々と偽装脱会しようと思ったのは、彼の墓穴掘りの一言だった。)
このような人間に翻弄された親が気の毒です。
カウンセラーを全面信頼しろとたきつけておきながら、しかたなきやってると後からいうなんて、卑怯ではないかしら?
Posted by YAMA at 2010年10月23日 16:42
YAMAさん
確かに拉致監禁請負人や拉致監禁牧師たちは、無責任極まりない人たちだと思います。信者の親や兄弟親族たちをコントロールしておきながら、大事なところでは家族の問題だという。また自分たちの酷い脱会説得によって、その後遺症が発症しても、他人のせいにする人たちです。こういう事実をもっと世間に知らしめないといけないと思います。
Posted by 原田和彦 at 2010年10月23日 17:49
私も、議決文の「逮捕、監禁について、被疑者松永および同宮村が関与したとする証拠はない」の箇所は、不当だと思います。
他の事例を参照すれば、関与が疑わしいのに「証拠がない」として1〜2行で結論付けるとは…。
手抜きというか、あえて取り上げることをしなかった、としか思えません。
もし、自信を持って「証拠がない=被疑者松永および同宮村は関与していない」と言いたいのなら、逆に、この2人が関与しなかったとする証拠を挙げるべきではないでしょうか。
たとえば、後藤氏が「会った(来た)」と言っている日時の2人のアリバイを証明すればいい。
こんなことは素人だって分かります。検察のくせに、それすらやっていないとすれば、怠慢としか言いようがないですね。意図的に不起訴にした、と見られても仕方がないでしょう。
Posted by みんな at 2010年10月25日 08:31
みんなさん

おっしゃるとおりです。きわめて疑わしいどころか、今回取り上げた書籍では、つまるところ自分にすべてをゆだねなさいといているわけです。宮村氏が首謀者であることの理論的論証は今回の稿で十分だと思います。

後は、今後の通知書のチェックと、複数の被害者がほぼ同じ手法で監禁されていることを指摘することで、実証されると思います。
Posted by 原田和彦 at 2010年10月25日 11:01
この゛親は何を知るべきか゛は宮村氏礼賛の本ともいえるかもしれません。彼の稿のタイトルが本のタイトルになってるぐらいですから。
でも私はあえて言いたい。
私の説得に失敗したのは、私の家族が信じて従っていった宮村氏自身が墓穴を掘ったからです。
彼のみえすいた嘘をきちんと検証したかったのと、彼の脅迫まがいの一言が、偽装脱会を決意する大きなあと押しになったのです。 絶対的に宮村氏を信じてしまった結果、後藤さんのご家族はどうなったでしょうか?
Posted by YAMA at 2010年10月29日 05:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/166834359

この記事へのトラックバック

【拉致監禁反対】統一教会の拉致問題の核心
Excerpt: つまり、拉致監禁は家族の問題ではない。他者から家族や親族に吹き込まれて実行されていく、社会問題なのだということが、宮村氏自身の著述から証明できるのだ。 【「脱会カウンセラーに絶対的にゆだねよ??」【「..
Weblog: 東京1食口の統一運動
Tracked: 2010-10-27 01:34
にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 家族ブログ 親子引き離しへ
にほんブログ村
にほんブログ村 その他生活ブログ 事故・争いへ
にほんブログ村
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 新興宗教へ
にほんブログ村
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。